はじめにIntroduction
2016年、働き方改革実現会議が発足し、2017年3月に「働き方改革実行計画」が取りまとめられました。
またそれを受けて、労働基準法、パートタイム労働法などの法律を一括して改正する働き方改革法案が2018年6月に成立し、2019年4月から段階的に施行されます。
人口減少、労働力不足。業績が上向けば大量に採用し、景気が悪化すれば非正規社員で調整するという、今まで有効だった人材戦略が法律的に難しくなります。
また人材不足ですが、これはどこまで継続するものでしょうか。近い将来、IT機器、AIなどの活用から余剰時代になることも想定はたやすいことです。
働き方改革を考える場合、少し大きな視点で考えてみていただきたいです。
「働き方=暮らしそのもの」です。
人が働くうえで、どんな状態がベストなのでしょうか。幸せなのでしょうか。
また労働生産性が上がるのでしょうか。
企業が成長していけるのでしょうか。
これにより本人も企業も、双方が恩恵を受けるものでなくてはいけません。
ぜひ、真剣に働き方改革に取組み、「選ばれる企業」に「勝てる企業」になってください。
チェック項目Check List
- 離職が多い
- 残業が多い
- 〇〇さんがいないと、この仕事は回らない
- 特に若手に不満が多い
- 60歳以上の方が多くなり、今後もかなり増えていく
- 今後、外国人労働者も視野に入れている
- 非正規社員の割合が多い
- 何かしらのハラスメント問題を抱えている
- コミュニケーション不足の課題が常にある
- 男性の育休取得が進まない
取り組む目的とテーマTheme
目的としては、企業によって異なるかとは思いますが概ね
- 労働力の確保と維持
- 生産性と価値の向上
- イノベーションの促進
- 従業員の満足度と健康
などがあるでしょうか。
このような中、取組む大きなテーマとして
- ダイバーシティ
- 人材開発
- 業務効率化
- 事業提案の促進
- 勤務時間の短縮
- 働く場所の多様化
- 社外活動の促進
などが考えられます。
施策例Example
実際に取組み施策は、以下に分けて考えられます。
- 時間
(長時間労働是正、短時間勤務、インターバル、フレックスなど)
- 場所
(テレワーク、サテライトオフィス、フリーアドレスなど)
- 制度
(人事制度、評価制度、従業員提案制度など)
- スキル教育
(マネジメントの見直し、業務改善、研修など)
- 風土
(ダイバーシティの活性化、良好な人間関係、ハラスメントの防止など)
どれか一つを行っても、成果が認められるものでもありません。しかし、全てを一斉に進めるというのはなかなか現実的でもありません。
御社にとっても、レバレッジポイントはどこでしょうか?
優先順位は?進めやすいものは?緊急課題は?
中長期的な視点で、しかし何かしらの取組はすぐに行っていく必要があるのではないでしょうか?
課題点Challenges point
課題点として
- 量的問題(働き方改革が早急に必要な人の割合が、今の時点で少なく個人的なこととして捉えられ課題になりにくい)
- 意識問題(固定観念や先入観から、経営の重要課題という認識がなく優先順位が低い)
- スキル問題(多様性ある人材が増加しても、それを活かすためのマネジメントスキルなどがない。また残業削減のための仕事の見直しのスキル不足)
- 時差問題(結果・効果が出るまで時間がかかるため、長期的に取り組めない)
などが考えられます。
解決策としてSolution
ゴール設定を明確にする。それに向けての取り組みを計画する
(細々としていると、結果が出ず先が見えない中頓挫しかねません。経営課題とリンクさせたゴールを設定し少なくとも3年計画を設定し、行うべき内容を盛り込む計画書を用意しましょう。)
⇒ 自社のみで行うと、視野が狭くなってしまいます。ゴールが小さなものになったり、逆に壮大すぎて絵空事になりかねません。ぜひ、外部の意見を取り入れてください。客観的また他社や専門知識に詳しい弊社を伴走させてください。迷子にならない地図を作成しましょう。
⇒ 行動計画を作る中で、教育・制度・周知など、そのたびに外部委託する先がバラバラだとそれだけで仕事が増えてしまいます。